Auto news on Youtube Nov 8 2018

パッと見は誰もが知ってるJeepだけど

ひとつのフィロソフィーのあるモノを半世紀以上継続的 に作り続ける事は、とても難しく誰でもができること ではない。

それをコツコツとやってのけている自動車メーカーのひ とつに”Jeep”がある。

エンジニアリングから生まれた機能性の高いデザインで Jeepの象徴的なモチーフとなっているフロントマ スクは、ひと目でそれがJeepであると理解できる 。

今回Jeepの中でもワイルドな1台である新型ラング ラーを試乗できたのでお伝えしたい。

コースは日常では体感できないアップダウンの激しいオ フロードと、都会では得られない田園風景が広がる一 般道と僅かであるが高速道路も試してみた。

刷新したJeep ラングラーは一見すると先代と大き な変更がない雰囲気である。

タフなラングラーのイメージを変えない事を第一に考え てデザインし、見える部分よりも見えない部分に力を 注いで通常の運動性能と走破性、快適性の向上を図っ たモデルと言える。

では中身を刷新した結果どのようなラングラーへと進化 したのか。

最初は一般道のテストである。

まずは3.6LのDOHCV型6気筒ユニットである。

トランスミッションが5速から8速へと変更された。

2トン以上ある車両を悠々と走らせるパワーユニットは 、以前よりも静粛性が高い。

前後共に重量のあるリジットアクスル(両輪が車軸でつ ながったサスペンション)にもかかわらず、ドタバタ せずにゆったりとストロークをさせる。

先代まではフレームとボディが捻れることで、路面から の衝撃がワンクッションある乗り心地を作り出してい た。

それが今回フレームとボディを強化した結果、衝撃がダ イレクトに伝わるようになっていてステアリング操作 の違和感がかなり低減されている。

ラングラーの見切りの良いボディは、道幅の狭いところ でもタイヤの位置が把握しやすいために、大きな車体 ながらとても運転しやすい。

前後リジットアクスルの車がもっとも苦手なUターンも 試みてみた。

先代の7mを超える最小回転半径であったトラウマから 困難かと思ったUターンも、思った以上に容易にこな す。

新型の最小回転半径はカタログ値6.2mであるから、 エンジニアも相当頑張ったことだろう。

ちなみに3ドアモデルは5.3mなので、とても乗りや すそう。 全く問題ない取り回しといえよう。

リサーキュレーティング・ボール式のステアリング機構 は、中速のカーブが連続する場面で、切り始めた瞬間 にワンテンポ遅い印象がある。

しかし、これが緩やかなカーブを曲がるアメリカンスタ イルだと思えば問題ない。

万が一、急ハンドルの処置をしてもゆったりとジェント ルな動きでかわすだけなのである。

8速ATはとても滑らかで「本当にJeep?」と思え るほど、一般の乗用車然としている。

ここまでワイルドさを取り除くと心配になるほどだ。

先代から比べると随分とまろやかになったが、先代のな んとも言えない無骨の乗り心地も懐かしい。

Jeepらしさの消失は杞憂だった

次に公道では味わえないオフロードコースの試乗だ。

新型ラングラーの4WDはパートタイム式からフルタイ ム式へと変更された。

一般での走行でもより気兼ねなく、4WDとして性能を 発揮させたいというところであろう。

次の試乗コースは本格的なオフロードコースだ。 少々雨 が降っているせいか、かなり走破する事が難しいコン ディションに見える。

さすがに初期設定のフルタイムからパートタイムに切り 替えて、ローレンジにトランスファーを変更して走破 性を高める。

最初は雨の中のヒルトップからゆったりと降りていく。

傾斜にして10%くらいだろうか、路面が濡れて泥濘化 しているので結構スリップする。

しかし、このくらいの傾斜は何事もなかったように走る 。

シーソー地形では前後の対角線上の車輪が浮いてもコン トロールすれば何とかなるが、後部席に同乗した本国 から来日したチーフエンジニアのトップがデフロック を入れろと指示する。

リアのみ入れて難なく切り抜ける。

その後、岩が少しあるヒルクライムの登りだ。

さすがに前後デフロックを入れて走らせる。

3.6Lはとても扱いやすく、このようなシチュエーシ ョンであると本領を発揮する出力特性だ。

これほどまでにホイールベースが長いモデルで楽々と悪 路を走破するコントロール性能が、ジープの一日の長 と言える。

こんな機会はそうそうないだろうが、ぜひ購入する前に 体感させてもらうと良い。

最後に2Lを搭載したターボモデルを紹介しよう。

この2Lの4気筒ターボは数値からいうとかなりパワフ ルだ。

トルクを高めて加速やオフロード性能を向上させる狙い がある。 実際に乗ってみるとやはり軽やかだ。

ターボであるが走らせている間は扱いやすく、極端な負 荷をかけなければエンジンノイズも全く気にならない 。

ただ中間加速や発進時に4L級のトルクを発揮するにも かかわらず、それを発揮するのに少々もたつく事があ る。 極限のオフロードよりも高速などとの相性が良さ そうなエンジンだ。

乗り心地が若干硬めでV6よりも接地感が希薄な印象。 だが、軽やかで街乗りには良いのかもしれない。

燃費も最大の売りのひとつなので、経済的にも優れてい る本格的なワイルド4WDと言えるだろう。

【SPECIFICATIONS】※試乗車

■グレード:ラングラー アンリミテッド サハラ ■ 乗車定員:5名

■エンジン種類:V6 DOHC+ターボ ■総排気量 :3604cc

■最高出力:209(284)/6400[kW(ps )/rpm]

■最大トルク:347(35.4)/4100[N・m (kgf・m)/rpm]

■駆動方式:4WD ■トランスミッション:8速AT

■全長x全幅x全高:4870 x 1895 x 1 840(mm) ■ホイールベース:3010mm

■ガソリン種類/容量:レギュラー/81(L)

■JC08モード燃費:9.2(㎞/L)

■車両価格:530万円(税込)